寒冷地に特有の儀式、水抜きのしくみと、
水抜き方法について記します。
水抜き方法について記します。
上の図は、水が使用できる状態(通水後)の略図です。
実際の建物では給湯器を用いてお湯を使用したり、
水栓の数も複数となりますが、説明を簡略化するため、
1つの水栓金具(蛇口)の場合について説明します。
また、水抜き栓にモーターをかぶせて、宅内のコントローラーから
水抜き栓を操作する電動式水抜き栓開放装置(らいらっく)が
普及していますが、説明を簡略化するために
手動水抜き栓として説明します。
水抜きのしくみ>>>>>>
・寒冷地に限らず、建物には水道メーターが設置されており、
水道メーター部分に止水バルブ
(水の供給を止めるバルブ)が設置されています。
止水バルブを閉じると、水の供給は止まります。
・寒冷地に限らず、水道メーターから建物までの水道管は
凍結深度以深に埋設し、凍結を防止します。
山中湖近辺では地表面から60センチを凍結深度としています。
・寒冷地においては、水道管が建物に
入る箇所に(建物の直前、または直後)
水抜き栓(不凍栓)を設置します。
・寒冷地においては、止水バルブを閉めても
凍結深度以浅の水道管内の水(Aの範囲)は凍ってしまいます。
水抜きとは、このAの範囲の水を水道管から抜くことを指します。
水抜きのことを、水落とし、水閉め とも呼びます。
逆に水を開通させることを、水出し、通水、水開きとも呼びます。
・寒冷地において、宅内の水道管は
水抜き栓へむけて勾配を取り、
水抜き時に配管内の水が水抜き栓排水部で
抜けるようにします。
水抜きの方法>>>>>>>>>>>>>
①水抜き栓を操作
ハンドルを時計回り(止まる、水抜)に回す。
ハンドルは最後まで確実に回してください。
ハンドル操作によって水抜き栓の逆止弁が働き、
水道メーターからの給水は水抜き栓部分で止まります。
また、水抜き栓排水部は解放されてAの範囲の水が
地中に排出されます。
②蛇口を開く。
蛇口を開く目的は、Aの範囲の水をスムースに
排水部で抜くために
蛇口から空気を吸引させることです。
③蛇口を閉める。
蛇口が開いた状態でも水が出ない(=水が抜けた)ことを確認し、
蛇口を閉めます。
④不凍液を入れる
洗面器、便器、シンクなどの排水口には
臭気防止の封水が溜まっています。
封水が凍らないように、
排水口に不凍液を注ぎます。
不凍液はホームセンターなどで購入できます。
水出し方法>>>>>>>>>>>>>>>>
①すべての蛇口が閉まっていることを確認。
確認する目的は蛇口が開いた状態で、
水抜き栓を通水すると、ばしゃばしゃと
蛇口から水が飛び出るのを防ぐためです。
②水抜き栓を操作
ハンドルを反時計回り(出る、通水)に回す。
③蛇口を開ける。
その後、蛇口をゆっくり開ける。
ゆっくり開ける目的は、水道管の中に空気が入っているため、
(エアー混入、エアーがかむともいいます)
エアーが抜けるまではボコボコと水と空気とが
一緒に排出され、周囲に飛び散るのを防ぐためです。
以上が最もシンプルな水抜き~水出しの仕組みと方法です。
上記では蛇口を開く、閉めると表記しましたが、
水栓金具によっては、別途、水抜きプラグを外したり、
エアー取り込みボタンを押すなどの作業が必要になる機種もあります。
エアー取り込み用の操作を行う必要のある機種もあります。
概して水栓金具の水抜き難易度は、
便利な機能(シャワー付き、タッチレス)がついていたり、
おしゃれで格好良いものほど、上がるといえます。
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