今年の7月頃より、中古山荘改修工事の設計に携わっています。
築40数年を経た建物では、地盤沈下、凍上被害、基礎クラック、雨漏り、構造躯体の腐朽、設備の老朽化、獣虫害があったりと、新築計画とは異なる課題がつきものです。
中古建物の改修設計を行う際、MS4Dでは、以下の点を注意しています。
0;だれに改修計画、改修工事をお願いするべきか
建設時の設計会社、建設会社、ハウスメーカー等が倒産等せずに
残っていて、現在でも対応くださるのであれば、
私共MS4Dではなく、そこにお願いするのがベストでしょう。
経験則的には、40数年経っていると、当時の設計者はお亡くなりになっていたり、
ご高齢で、対応不可といった回答が多いです。
また、簡易な改修工事(耐震補強計画なし、大掛かりな間取りの変更や設備変更なし)
であれば、私共設計者は不要なことも多いです。
1;建設時資料の収集
建設時の図面類、工事見積書、建築確認申請書など、
当時の記録は、多いに越したことはありません。
建設時~現在に至るまでに、所有者が変更となっている場合等、
建設時の資料を紛失されていることが多く、手掛かりが少ない分、
改修計画を練るのに時間を要します。
2;建設した施工者、設計者への連絡
所有者が、建設時の資料を紛失していたとしても、建設会社、設計者が保管している
可能性があります。MS4Dでは、当時の施工者、設計者に必ず、お声がけします。
3;これまでの改修履歴
屋根の葺き替え、外壁塗装、設備の更新などなど、
どんなメンテナンスをどのタイミングで、どの程度行ってきたのかは、
今後、改修計画を組み立てる際の大切な指標となります。
その他、何年頃の台風で雨漏れしたとか、大きな地震で床が傾いたとか。。
上記の2にも関連しますが、所有者さんが記録、記憶していなくとも、
メンテナンスを行った施工者が改修履歴(例えば見積書)を所有保管している事も
よくあります。
さて、今回工事においては、本体の改修工事に先駆けて、屋内壁床天井等の先行解体工事を
実施する事にしました。
先行解体って何?
改修工事計画においては、先の建設時の資料や、改修履歴、さらには建物の外観や内観、床下等、目視確認できる箇所から、その建物の老朽化の程度を調査、(あるいは推測し)改修計画を練り上げていくのですが、隠蔽部(壁の中や、屋根裏等)に関しては、推測することが難しいケースが良くあります。
いざ、壁や床を剥がしてみると、想定外の老朽箇所や虫害が見つかり、工事を一旦ストップして、改修計画を練り直さざるを得ない、なんてことも、よくあります。
そうした意味で、先行解体工事を実施する事は、予期せぬ追加費用+工期の発生を防ぐ狙いがあります。
さらには、先行解体後、改修計画の検討時間を設けることで、
費用対効果の高い改修計画を検討~練り上げることにもつながります。
屋内側の床壁天井、各種設備機器を取り外し、 構造躯体の老朽化、劣化、腐朽の程度を 調査できる状態になりました。 |
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