2023年4月7日金曜日

寒冷地(山中湖)別荘、あるある 10;エネルギーのこと

はじめて寒冷地に別荘を新築される際、
エネルギーについて相談をよく受けます。
・東京の自宅がオール電化なので、別荘も同じにしたいのですが。
 どう思いますか?
・都市ガスに比べてプロパンガスは使用料金が高いと聞きますし、
 春~秋、1回/月程度しか別荘利用するつもりはないので、
 年中基本料金の掛かるプロパンガスは避けたいのですが。。。
・たまにしか足を運ばない別荘なので、灯油タンクを屋外に
 置いておくのは、火災等が不安なのですが。。。
・最近、電気代があがっているので、電気は
 ミニマムにしたいのですが。。
・薪ストーブにあこがれるのですが、薪代って、
 年間どのくらいかかるのでしょうか。。。。
・オールシーズン利用する予定なのですが、
 万一、真冬に停電することを考えると、
 複数のエネルギーで暖を獲れる様にした方が
 良いのでしょうか?
・自宅は太陽光ソーラー発電しているのですが、
 山中湖での発電効率はいかがでしょうか?
建物を新築する場合、週末オールシーズン利用なのか、
避暑地利用で冬場は使用しないのか、
別荘利用の仕方や、暖房設備との兼ね合い、
使い勝手等によって、
どのエネルギーに依存するかを組み立て(=設計する)ます。
また、東日本大震災以降、エネルギーの分散を
意識される方が多いように思います。

料金の事;
 社会情勢によって、各エネルギー料金は変動しますので、
 一概に比較しにくいのですが、大まかには以下です。
 購入灯油 < 都市ガス < 配達灯油 < LPG < 昼間電気
エネルギーの単位;
 エネルギーの単位にはJ(ジュール)とcal(カロリー)があります。
 1cal=1gの水を1℃上げるのに必要なエネルギー量
 1J=0.239cal
 1W=1秒間に1Jのエネルギー使用
 1kWh=1000×60×60=3,600,000J=3.6MJ









ガスについて
 山中湖周辺は、都市ガスは整備されておらず、プロパンガス(LPG)です。
 原料、成分;LPG=液化石油ガス、 都市ガス=液化天然ガス
 比重;LPG=空気より軽い、都市ガス=空気より重い
 エネルギー効率;都市ガスに比してLPGは約2倍効率が良い
  都市ガスとプロパンガスを1立方メートル当たりの熱量で比較すると
  LPG24,000kcal/㎥ 都市ガス11,000kcal/㎥ 
  約2倍、LPGの方が少ない量のガスで、湯を沸かせるという意味です。
  湯が沸く時間も短いです。
 料金の事;LPG>都市ガス=約1.8倍高い
  地域ごとに料金が異なる事や、自由化が進んでおり、
  一概にどちらの方が高い、安いと
  比較しにくいのですが、同じ量の熱を必要とした際に、
  1.6倍~2.0倍LPGの方が高くつきます。

灯油について
 補助暖房として灯油ファンヒーター等を利用する場合は、
 DIYセンター等で販売している18Lポリタンクで運搬できますが、
 別荘のメイン暖房や給湯を灯油式にする場合、
 100L~200Lの屋外灯油タンクが必要になります。
 タンクに直射日光が当たると、熱劣化する為、
 北側等に配置するのが好ましいです。
 近所のガソリンスタンドが、タンクローリーで配達、
 してくれますが、最低配達量は100Lからとなります。
 灯油は他の燃料と比べ熱で変質、劣化したり、
 結露で水が混入すると、不良灯油となります。
 保管状況によって、寿命は変わりますが、
 昨シーズンの灯油は使わない方が良いとされています。
 LPGや電気のように、基本料金がかからない点、経済的と
 思われがちですが、使い切れなかった昨シーズン分には
 廃油費用がかかりますので、一概にはなんとも言えません。


 近所のDIYセンターやスーパーで600円~900円/束、販売しています。
 ネットショップ等、大口で注文をすれば、単価は下がる様です。
 ふるさと納税の返礼品を薪にされている方もいらっしゃるようです。
 薪ストーブをメイン暖房とした場合、建物の断熱性にもよりますが、
 極寒期には、2~3束/日程度使用しますので、一概に経済的とは言えません。
 3束×30日×600円=54,000円/月
 ただ、薪は購入せずとも、伐採した立ち木から割って作ることも出来ますし、
 庭の枯れ枝や落ち葉を焚きつけに利用することも出来ます。
 MS4D山荘は、薪ストーブをメイン暖房にしていますが、
 これまで13年間、一度も薪を購入したことはありません。
  関連する過去記事
  2021/09 薪運び
  2021/12 年間薪消費量
  2021/12 薪割斧について
  2022/05 薪運び方法の検討

太陽光線
 標高の高い山中湖は、太陽光線量が関東平野などの平地に比べて多いです。
 具体的には標高0m地点と比して、標高1000mでは紫外線が10〜12%強くなります。
 (環境省『紫外線・環境保護マニュアル2015』より)
 紫外線だけではなく、赤外線量も同様とされています。
 夏場は山荘内に直射日光を入れず、冬は取り込めるような工夫を施せば、
 太陽光線もエネルギーとして十分に活用できると思います。
 また、山梨県は、晴天率(昼間の晴れた時間)が、全国でもトップクラスを誇り、
 太陽光発電にも適していると言えるでしょう。

左は冬場         右は夏場
MS4Dで新築設計を手掛ける際に良く採用する方式。
くわしくはこちら









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